長寿祝いの品選びと金額の相場、お返しは?
長寿祝いとは
元々は中国から伝わった長寿祝いは、40歳の「初老の賀」をはじめとして、10年ごとに祝われてきましたが、これは人生50年となっていた時代のことです。今や日本人の平均寿命は80年と言われ、長生きをする人が大きく増えてきています。ちなみに2017年の日本人の平均寿命は男性が80.98年、女性が87.14年と男女とも過去最高を更新し続けているようです。
また、日本では60歳の還暦祝いが盛大に行なわれてきましたが、平均寿命が延びた今では、 70歳の「古稀」から祝うのが一般的となってきました。まあ、あまりの形にはこだわりなくなってきたということでしょうか。
長寿の祝いは本来は数え年の誕生日に祝うものでしたが、最近では満年齢で行う人が多くなっています。誕生日に限り、年の初めや敬老の日などに行ったりと、人そぞれ様々な時期に自由に行っているようです。
また、お祝いを行う日はあまり誕生日にこだわらず、本人の健康状態に合わせたほうが良い事や家族や親戚が集まりやすそうな時期を優先させて行う事が増えてきているようです。その方が現実的ですしね。
主な長寿の祝いとその由来
還暦 | かんれき | 61歳 | 数え年で61歳になると、生まれた歳と同じ干支になる、暦が還ることから。赤いちゃんちゃんこは赤子に戻りもう一度生まれ変わって出直すという意味。長寿祝いの色は赤・朱。 |
古稀 | こき | 70歳 | 中国の詩人・杜甫の「人生七十古来稀な」の詩句からきたもの。長寿祝いの色は紫。 |
喜寿 | きじゅ | 77歳 | 喜の草書体の「喜」は分解すると十七の上に七が付いたような文字となることから。 長寿祝いの色は紫。 |
傘寿 | さんじゅ | 80歳 | 傘の略字を分解すると八十となることから。 長寿祝いの色は金茶。 |
米寿 | べいじゅ | 88歳 | 八十八を重ねると、米の字になることから。 長寿祝いの色は金茶。 |
卒寿 | そつじゅ | 90歳 | 卒の略字の「卆」が九十と書かれてから。 長寿祝いの色は白。 |
白寿 | はくじゅ | 99歳 | 百の字から一を取ると白になることから。 長寿祝いの色は白。 |
茶寿 | ちゃじゅ | 108歳 | 茶の字を分解すると八十八、十、十となり、すべて合わせると108になることから。 |
皇寿 | こうじゅ | 111歳 | 皇の字を分解すると白(99歳)、一、十、一となり、すべて合わせると111になることから。 |
大還暦 | だいかんれき | 120歳 | 2巡目の還暦ですね。 |
長寿祝いの品は何を選べば良いの?
長寿祝いのプレゼントで定番の贈りものとしてよく挙げられるのが「お酒」「花」「お菓子」です。
お酒はどんな祝いでも喜ばれる贈り物として人気があります。ビール・日本酒・ワイン・ウイスキーと種類も多く、その価格帯も広く予算に合わせて選びやすいのも人気の秘密のようです。
花は特に女性に喜ばれる贈り物として人気があります。美しく飾られた花束や鉢花など、特別なお祝いを飾るにはもってこいのアイテムと言えます。
お菓子は、和菓子・洋菓子ともに人気です。年を重ねる毎に食が細くなりがちですので、日持ちの良い焼き菓子などが最適です。
長寿のお祝金の相場はどのくらい?
予算の範囲や地域の習慣にもよるので様々なケースが考えられますが、基本的には関係が近い人の金額が最も高く、職場の同僚や取引先などでは少し遠慮するのが一般的です。特にお世話になっている方に贈る場合など特殊な事情が絡む場合もありますが、大まかな金額の相場は下表の程度だと思われます。
相手 | 金額の目安 |
両親 | 20,000円〜50,000円 |
祖父母 | 10,000円〜30,000円 |
親類 | 5,000円〜10,0000円 |
祝儀袋の表書きの書き方
■ 水引:紅白・金銀
■ 祝儀袋の表書き
- 還暦祝い(60歳のお祝い) ⇒ 「祝還暦」・「還暦御祝」・「寿還暦」・「御祝」
- 古希祝い(70歳のお祝い) ⇒ 「祝古希」・「古希御祝」・「寿古希」・「御祝」
- 喜寿祝い(77歳のお祝い) ⇒ 「祝喜寿」・「喜寿御祝」・「御祝」
- 米寿祝い(88歳のお祝い) ⇒ 「祝米寿」・「米寿御祝」・「御祝」
- 卒寿祝い(90歳のお祝い) ⇒ 「祝卒寿」・「卒寿御祝」・「御祝」
- 白寿祝い(99歳のお祝い) ⇒ 「祝白寿」・「白寿御祝」・「御祝」
この場合も「還暦御祝」「喜寿御祝」など4文字の場合は「死文字」ということで嫌う方もおられます。その場合は三文字にするか1文字足して5文字「還暦乃御祝」「喜寿乃御祝」などにすると良いでしょう。
中袋の記入
中包みの表の中央に「金額」を縦書きで記入します。
(例)金三万円、金参萬円、金参萬圓など、普通 の漢数字で書いても良いです。
金額の後の「也(なり)」は、つけてもつけなくても構いません。中に入れる金額に決まりはありません。
裏側には、「住所」を左に寄せて書きます。正式には筆ですが、ペンで書いても良いでしょう。
長寿の祝い方
還暦の祝いの赤いちゃんちゃんこや赤い座布団は「赤ちゃんに戻って生まれ直す」と意味合いから贈られています。では、ほかの長寿祝いではどんな祝い方をするのかというと…。
- 古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、卒寿(90歳)では、基本的に紫色のものを贈ってお祝いします。
- 米寿(88歳)は還暦とほぼ同じ金茶色のちゃんちゃんこなど、年齢を象徴する商品を贈ってお祝いするのが一般的です。還暦が赤いものを贈ることのために、金茶のものを贈るのが通例となっています。
- 白寿(99歳)と紀寿・百寿(100歳)は白いものを贈ります。
このように、百寿までのお祝いの色を一覧にして次の表のようになります。
還暦 | 赤 | 古希 | 藍色 |
喜寿 | 黄色 | 傘寿 | オレンジ |
米寿 | ベージュ | 卒寿< | 紫 |
白寿 | 白 | 紀寿・百寿 | 白 |
長寿の祝いは、子ども達や孫達が祝ってあげるのが一般的ですが、本人が主催しても良いでしょう。どちらにしても、形にとられてることなく、本人の希望を尊重した、喜ばれるお祝いにしたいものです。
長寿祝いの品は、年齢を考慮するより、むしろ年齢より若向の品物や、趣味などに使える実用的なものの方が喜ばれることが多々あるようです。例えば、財布などの小物類、スポーツをする人などではスポーツ用品など、お洒落な品を選んでいる人が多いようです。また、女性なら、口紅やアクセサリーなども良いですね。
「これからも若々しく人生を楽しんでください」といった感謝の気持ちを込めて贈るのであれば、内容の如何を問わず喜ばれるでしょう。
長寿祝いのお返し
長寿祝いのお返しですが、家族に対しては必要ありませんが、友人・知人・仕事関係の人などにはお返しをするというのが基本的な考え方になります。
家族間ではお正月に家族・親族が集まった時に併せて長寿祝いを行う事が多かったため、お返しをする習慣というものはありませんでした。しかし最近では長寿祝いのためにわざわざ盛大なパーティーを開き、親戚や友人・知人・職場関係の方などをわざわざ招待することも多くなってきたのに伴い、結婚式や他の祝い事と同じようにお返しをすることが増えてきています。
長寿祝いのお返し、金額の相場は? どんなものを選んだら?
長寿祝いのお返しは十倍返しではなく「半返し」が基本です。つまりいただいた贈り物の大体半額程度のものをお返しとして贈るということになります。これはあくまで目安ということです。予算のことも勘案しあまり負担にならないような額で良いでしょう。
お返しの品は、紅白饅頭等の祝い菓子やお赤飯などは定番と言えるでしょう。最近は昔風の和菓子にこだわる必要もなく洋菓子の詰め合わせなども選ばれるようになってきています。また、お返しを贈る方の好みや思考をよく知らない場合は、好き嫌いが分かれる食品関係よりも「タオルや風呂敷、お箸、茶器」などの小物食器類であれば日常使用もできますし保管場所もとらないので好適ではないでしょうか。